2011年08月10日

ニッチで成功したJA開発商品 

先月、「第60回全国農業コンクール」が和歌山市で全国大会
が開催されました。
この全国農業コンクールは、卓越した農業技術を持ち、
創意工夫を凝らした農業経営を展開する意欲あふれる農業
生産者を表彰するものです。

その中で、全国の生産者にとって大いに参考になる成功事
例が受賞されました。

名誉賞(農林水産大臣賞)を受賞した、和歌山県代表の
JAわかやま生姜生産販売連絡協議会」による、地元
の新しょうがを使ったブランド化の取り組みです。

そのブランド化で私が感心したのが、和歌山のしょうがを
存分に使った「ジンジャエール」の開発です。

商品名は、「生姜 丸しぼり Wakayama GingerAle」です。

$ 『ブランドマーケティング実践法』☆地域戦略マーケッターのブログ☆

実は、このジンジャエールは発売から100万本の売り上げ
を突破した人気商品なんです。
まだ関西の方が有名かも知れませんが、何よりこの開発に
あたっては農商工連携による取り組みという点もさらに注目
です。

商品の特徴は、大手メーカーのジンジャエールはしょうがを
使っていないのに対して、しょうがをまるごと搾って使用して
いることが、オリジナル性の高い最大のウリとなっています。

また、和歌山は高知に次いで全国2位の栽培面積を有する
しょうがの産地ですが、その産地の強みと、規格外品を活用
できるJAの強みが重なって、大手メーカーではなかなか
真似できない商品を作り上げることに成功しました。

では、なぜJAわかやまのジンジャエールはヒットにつな
がったのでしょうか。


一つは、商品開発における枠組みが農商工連携であるという
点です。
この農商工連携を展開するにあたり、JAでは和歌山商工
会議所と和歌山市農業委員会との3者による「農商工連携
に関する協定書」を締結
しています。

この協定は、地元における連携構築に大きな貢献をもたらし
ています。
全国では、JAによって商品化、開発された商品は多い
ですが、こういう形での農商工連携による取り組みは少なく、
さらに成功事例という点で貴重な存在です。

実際、開発・販売は先述した同協議会にて進められ、品質や
大きさなど基準を統一し、共同販売を始めました。
農家メンバーによって出荷時期を調整することで、原料確保
と価格の安定にもつながっています。

製造は地元の飲料会社が請け負っていますが、JA自らで
農商工連携の全体統括を行い、プロデュースを行う
ことで
JAが事業リスクを背負う仕組みが出来ます。

つまり、JAが本来の生産者側の立場ではなく、商工側の
役割を担ってことで、農家はけして原料調達先ではなく真の
パートナーとして位置づけられることに成功したのです。

これからは6次産業化も合わせて、農協の役割というのが
色んな意味で大きく注目されていくと思います。

農協は、積極的に地元や農家を後押しし、商品化における
リスクを最大限補うような決意と先見性が求められている
んだろうと感じています。  


Posted by 株式会社コミュニティブレインズ at 23:40Comments(0)商品・デザイン

2011年07月31日

農商工連携 商品・サービス化の本質

昨日は農商工観光連携の研修講義の担当日でした。
講義の一つが、実際の商品開発の現場を仮想体験する、
ロールプレイングでした。

今回の連携による商品テーマを、農家の資源である大豆
を使って、醤油メーカーと連携して新しい醤油関連商品
を開発すると仮定し、グループ毎に討議をして簡単な開発
構想を立ててもらう内容です。

予め、両者の経営課題や市場動向など、情報データを
一緒に教えた上で討議をしてもらったので、進行は
ある程度スムーズに進みましたが、受講者の議論を聞いて
いてふと気になるたことがありました。

それは、どうしても資源である大豆を活用した商品コン
セプトやアイデアにばかり話が熱くなり、消費者ニーズの
観点や売上を上げていくプロセスとして、重要なビジネス
モデルの構築がやや不十分な傾向が見られたのです。

これまで、まちおこしや地域資源を活用した商品開発の
現場を多く見てきましたが、消費者ニーズの捉え方があい
まいであったり、マーケティングが不十分なため、ビジ
ネスモデルとして成立しづらい計画を立てるケースが
ありました。

確かに、連携によって自分達の経営資源(地域資源)を
どう活用して商品をつくるのかということは大切ですが、
商品開発はあくまで手段であって目的ではありません。

商品開発の目的は、連携によってシナジーを生んだ先に
「利益」を創出することです。
そのためには、中小企業に合わせたマーケティングを行わ
ないと正しい判断ができません。

つまり、まだ作り手のシーズ側からの発想が中心であり、
本当の意味で消費者視点のものづくりということを意識
できていないのではないでしょうか。

こうした農商工連携のような場合、これまでの「売れる」
ためのマーケティングではなく、「買いたい(また食べ
たい)」と顧客中心型のつながるマーケティングへ、
量から質への転換が重要です。

そのためには、いかに効果的なブランディングが図るかが
ポイントになってくるのです。

量を売るブランド化は、ナショナルブランドが取る手法です。

私の展開しているブランドマーケティングでは、まさに
商品・サービスのを高めるための戦略を展開します。
  


Posted by 株式会社コミュニティブレインズ at 23:15Comments(0)商品・デザイン

2011年07月28日

ロングセラー 無水鍋の人気

今年の夏は、節電や省エネに努力されていると思います。
私は、普段からエコライフを実践している方なんですが、
ある鍋が省エネというキーワードで新たな人気になりつつ
あります。

広島で1953年に生まれ、50年以上ロングセラーを続けて
いる「無水鍋」です。

この鍋は、ネーミングのとおり水を使わずに調理ができる
というのが特徴で、「素材の旨味と栄養を生かしたスピーディー
な料理をいかにつくるか」を追及して完成された商品です。

発売当初から人気となり、巷では厚手鋳物鍋のベストセラー
と云われてきた鍋です。

私が注目するのは、50年間「ブランド」守り続けてきたパワー
です。

時代がどんどん変わってもなぜが愛され続けるのか・・・。

無水鍋は発売以来、基本的な機能とデザインを変えていません。
変えたことは、ライフスタイルの変化に伴い、無水鍋も炊飯用、
IH用と消費者のニーズに合わせた商品ラインナップを増やして
います。

そして、定番である無水鍋は、50年間そのコンセプトを忠実に
守りながら、より消費者の使いやすさを考えて細かい部分で
改良を続けています。

前回のブログ「このご時世、「大は小を兼ねる」のか??」でも
書きましたが、重要なことは消費者ニーズをどれだけ商品に
反映していくのかということです。

そして、お客様にどんな価値を提供するのかという
ブランドをどう表現できるかが勝負なのです。

あくまで消費者に迎合して機能やデザインを変えるのではなく、
消費者の声を活かして商品に活力を与え続けることが大切なの
です。

無水鍋は、鍋の特徴である、栄養を逃さない調理法を活用した
健康レシピや、楽しいキッチンライフが楽しめるオリジナル
レシピを展開することで、毎日の調理を通じて喜びや生活の
提案を与えています。

まさに、鍋を売っているのではなく食事を豊かにするコトを
売っているのです。

普段の食生活を豊かにするために、無水鍋はきっと皆さまの
お役に立つことでしょう。   


Posted by 株式会社コミュニティブレインズ at 11:22Comments(0)商品・デザイン

2011年07月27日

このご時世、「大は小を兼ねる」のか??

最近、自分の中でこれまでの常識がだんだん変わってきて
いるなーと思うことがあります。

例えば、テレビを買う際、以前まではならせっかく買うなら
大きいサイズを買っておいた方が後で後悔しない、損しない
だろうと考えたりしませんか。

車も、以前は家族でドライブに行くなら、やっぱりミニバン、
どうせなら7人乗り・・・、なんてこともよく耳にしました。

いわゆる「大は小を兼ねる」ってやつです。

でも、今は何でも大きれけば良いという価値観が薄れてきて
いるように思います。

車の世界は、今はエコカー人気に負けないくらい軽自動車
が人気です。

携帯電話も、多機能で高価な「ガラパコス」と言われる
日本の携帯より、海外ではシンプルな最低限の機能しか
ないものが人気だったりします。

家電製品も、多くは小型でコンパクト、軽量、シンプルと
いう流れです。

これを地域の商品、特産品に置き換えてみると、不思議な
ほど「大は小を兼ねる」という類の商品が出てきます。

いわゆる、商品の容量、形状が大きすぎて食べきれない、
買いづらい
商品がたくさんあります。

少子高齢化で人口減少が進み、独身世帯が増える中で
消費者の属性や動態、社会の情勢に合わせた対応を
取らなければなりません。

地域では、頭打ちの現状を打破したいとして、新商品を
開発したいとする依頼が多くあります。
でも、果たしてそれが一番良い方法なのでしょうか?。

実は、容量や形状を見直したり、品質を見直すことで売上が
変わることがあります。

つまり、このご時世、商品アイテムを増やせば利益が増える
訳ではない
ということです。
とにかく、作れば売れる時代は終わったのです。

まさに「大は小を兼ねない」ことの事例です。

本当に新商品を開発することが会社にとって得策なのか、
マーケティングを先に進めた方が良いのではないかと
思うことが多いです。

パッケージをリニューアルしたり、デザインを変えることで
商品の良さを活かされたりします。

そして、消費者にとって使いやすい商品、食べやすい商品
など、顧客満足度を上げるための商品の機能価値を高める
ことの方が大切だったりします。
(これは、コトづくりへの発想の転換につながります)

こうした対応をマーケティングできて改善できる会社は、
本当に強みが活かされていきますね。  


Posted by 株式会社コミュニティブレインズ at 23:10Comments(0)商品・デザイン